ランカスター陛下の放浪日記?

その頃、クローディア城内では・・・・

「何だとぉぉぉぉ!!」

 ヴァリスの怒鳴り声が城中に響き渡る。
「も、申し訳ございません〜宰相閣下。」  衛兵たちが頭を下げる。
「たく・・いつもいつもいつもそうだ。大事な会議があるっていう日にアイツは逃げる。 一体・・・どこに抜け道を隠してんだ。いいか!城下町も手当たり次第探せ!!」
「はッ・・・。」
「もし見つからなければ・・・最悪、戒厳令引くぞ・・・。 今日と言う今日は絶対に捕まえてやるからな・・・。」
 ヴァリスはつぶやく。
 その部屋にクローディアの王子、ランフォードがファーナとノヴァを連れてやってきた。
「父上・・・何デカい声だして叫んでるんですか?城中響き渡ってますよ。」
 ノヴァは言った。
「ノヴァ・・・ランフォード殿下にファーナか。」
「ヴァリス・・一体どうしたんだ?」
「・・・ランフォード殿下・・・実は・・・非常に・・・言いにくい事なのですが・・・。」
 ヴァリスは事情を話した、そして・・・

「何ぃ!?また、父上がいなくなっただぁ?」

 ランフォードの声も城中に響き渡る。
「・・・あきないお人だな・・・ランカスター陛下も。」
 ノヴァがつぶやく。
「・・・あんたには言われたくないと思う。」
 ファーナが静かに突っ込んだ。
「・・・仕事が溜まりにたまってて・・・・前になかなか進まないって言うのに・・・。」
 ランフォードはつぶやく。
「これから、衛兵、騎士団に城下町等を探しに行かせますが・・ それでももし見つからなければ・・・戒厳令を発布します。殿下の許可をいただきたいのです。」
「・・・・ちょっと大げさすぎないか?」
「いや、これくらいはまだ軽いほうですよ、殿下。それから、今日は私も探索に出させて頂きます。」
「ちょ・・・ちょっと・・父上・・・。」
 ノヴァが慌てる。
「今までずっと我慢してきました。でも・・もう我慢の限界です。今日という今日は私の手で捕まえます。」
 ヴァリスは本気だった。
 ランフォードも怒っていたが、それ以上にヴァリスが怒っていたため、恐怖を少々感じていた。
「分かった・・・。いいだろう。父上を捕まえたらすぐ戻って来い。」
「分かっております、殿下。」
 そういって、ヴァリスは部屋を後にした。
「・・・ふう・・・。」
「ランフォード様もヴァリス様も大変ですね。」
「ランフォード、いいのか?父上行かせて・・・ああいう風にキレた父上、何するか分からんぞ・・・。」
「ま、それは父上の自業自得だ。」

コンコンッ。
 ドアがノックされる。
「ランフォード様、ノヴァ様、ファーナ姉様、失礼します。」
 イリアが入ってきた。
「イリアか。どうした?」
「あの・・・実はですね・・・。アヤ姉様をお見かけしませんでしたか・・・。」
「アヤがどうかしたのか?」
「・・演習を終えて、アヤ姉様のお部屋へ行ったら・・・誰もいなくて・・・。 城中探してもいないんです・・・・。」
「何ぃ?」
「・・・また、こんなややこしい時に。」
 ノヴァがため息をつく。
「前々から城下町を見たいと仰っていたのは知っていたのですが・・・・・ アヤ姉様、方向音痴だから・・・お一人で行かれるということはないでしょうが・・・」
 イリアが付け加えた。
「申し訳ございません。ランフォード様。」
「・・・いや。イリアは悪くないよ。自分を責めるな。」
「お一人で城を抜け出すというようなことはアヤ様には無理だと思いますが・・・ もしかしたら、ランフォード様・・陛下とご一緒なのでは?」
「・・・かもな。」
「ヴァリスに伝えるか・・・。父上と一緒だったら・・いいんだけどな。」
 と、ランフォードは言った。
「そう言えば、ランフォード様、アヤ様連れて城下町を案内された事ってあるのですか? イリアの言葉を聞いて、ふと思ったのですけど・・・。」
 ファーナは尋ねた。
「・・・・・ない。」
ランフォードは一言、そう答えた。
「ランフォード様・・・・それはダメですよ。」
 ファーナは「そりゃ、退屈で陛下と出て行かれますよ」と言わんばかりにため息をついた。
「オレだって、忙しいし。」
「忙しい中で時間[ヒマ]見つけろよ。っていうか、「忙しい」を言い訳にするな。」
ノヴァは「こいつの王妃になる女はきっと苦労するな」と思いながらため息をついた。

「なんでオレが逆に怒られなければならないんだ??」

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