忘れられし悲劇

「総ては・・・「運命」・・・・」
 ランディーンは自分のテントで寝そべっていた。
「父上は・・初めから知っていたんだな。きっと・・・。」
 ランディーンはリューネと結婚する前夜に父ラディリスから言われた事は忘れられないでいる。
"ランディーン・・・お前とリューネは・・・"
「・・「運命」だろうが、「前世」だろうが関係ない。 今あるのが「現実」。「現実」さえ見ていればいい。」
(この手で、「彼女」を、「リューネ」を守れれば・・・・)

 そして・・。
「さて、進軍だ。トルヴァドールの野望を打ち砕くために。」
 いつもどおりの日常。 「ラスディリア」に「平和」をもたらす為に彼らは今日もいく。
「どうした?アヤ。考え事か?」
「ううん・・なんでもないの。」
 「戦いの女神ラフィーリア」となるべく召還された少女は今、 「光神アルスフォード」の再臨と言われているクローディア王国の王子ランフォードの下にいる。
(ランフォード・・。私は・・・)
 王子ランフォードへの「想い」に気付き始める少女、アヤ。 そして・・・「地神リュークナイト」と「雷神イシュトリア」は・・・。
「おはようございます。ランディーン様。」
「おはよう。リューネ。」
 いつもと変わらない風景。 それはこれからも続くだろう。
「今日もキツイ行軍になるが・・。」
「大丈夫です。ランディーン様がいらっしゃるから・・・。」
 そう、自分で言った瞬間、顔を真っ赤にするリューネ。 その様子をみて、笑うランディーン。
「さて・・行こうか。総てを救う為に・・・。」
「はい。」

 「悲劇」の裏に隠された「悲劇」。 ランディーンとリューネは知っている。 が、彼らは「前世」で結ばれなかったから一緒にいるわけではない。 確かに出会ったのは「運命」の「導き」だったのだろう。 「運命」はただ、その「道」を示すだけ。
 その「道」を歩むのかどうかは彼ら自身だ。 しかし、彼らは一緒にいることを望み、ずっと側にいて、お互いを支えている。 それは「彼ら」の「望み」だったから。 「ランディーン」と「リューネ」が望んだからこそ存在する「現在(いま)」
 「前世」は「前世」、「現在」は「現在」。 それぞれ、別々のもの。

だが、遥か昔から引き継がれた「想い」は、確かにここに存在する。

「リューク」
「イシュトリア」
「やっと・・会えたね。」

FIN

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