猫は神!?

プロローグ

 顔を上へと向けると、友人の治が僕のことを見下ろしている。
 彼我の距離は1メートル以上
――別にねっころがっているわけじゃあない。
これでも立っているつもりだ。
四肢で。
「――だから、君は猫だけどある意味神だよね。」
 にこやかな眼差しを細めの銀色のフレームの眼鏡を通してこちらに降り注ぐ。
 改めてこの慣れない低い視線で彼を下からゆっくりと見上げる。 靴は脱いでおり、白いどこのメーカーとも知れない靴下が板張りの床から彼の体を支えている。 こちらの目線が低いせいか、やけに長く感じられる彼の足を覆うのは青いジーンズで、 少々使い古しているのか、ひざあたりが白くなりかけている。
 さらに上げれば、ろくにたたんでいないのか、 それともずっと奥に閉まっていたのか分からないがしわがこれでもか、 と言うほど一杯付いた白いシャツ。
 そして相変わらず笑顔を絶やさないまだあどけなさが残る顔に 7対3ではなく1対1にきっちりと揃えられた髪。
 目線を遠くへずらすと天井からは、 ガラス張りとなっているのか青空に浮かぶ満月がはっきりと見える。
 ……状況はとても変わりそうにない。 じっとしていてもそれが好転するどころか悪化すると考えた方がいい。 こうなったらもう最後の手段しかない、あやつなんかにこき使われてたまるかっての!

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